理事の取り組み
車いすダンスの魅力
1999年に脊髄損傷で車いす生活になりました。元々スポーツは大好きで当時は水泳にはまっていました。さて今から何が出来るだろうと思い様々なスポーツを体験しましたが、何かピンとこない。そんな時、知人に車いすダンスをやってみないと誘われました。豊橋のさくらピアでやっていると聞き体験に行きました。なんだか楽しそう、今迄と違う世界だと思い始めました。そして一ヶ月後、名古屋でフェスティバルがあるという事で団体戦に参加しました。ドレスを借り、メイクもしていただき、初つけまつげもしました。“変身”です!
会場には様々な方がいました。自走式車いすの人、電動式車いすの人、ストレッチャー式車いすの人、年齢も幼児から高齢者まで 皆輝いています。
身体は動かないので表情だけでリズムを取り踊っている人、ストレッチャー式車いすに乗った子どもと母親のペア、子どもの嬉しそうなキャッキャッ!という声が聞こえてきました。片麻痺の車いすの人は、後ろで車いすを押す人、スタンディング(健常者)の人と3人で素晴らしいダンスを披露“車いすダンスはどんな障害を持っていてもできる”と感動しました。
ある車いすの青年がスタンディングの人と踊りました。すごいスピード、技術、笑顔に惹きつけられました。感動で全身鳥肌がたちました。ダンス後、その青年が応援団のような大きな旗を持って会場を一周したのです。車いすで片手に大きな物を持ち、自由に動くのは並大抵ではありません。すごい!もう魅了されました。そして車いすに携わる人々の心に感動。障害を持った人の心に寄り添い、出すぎず皆のパワーを引き上げる。すっかり車いすダンスにはまりました。
思いっきり綺麗に変身し、自由に表現ができる、そして踊っていると自分をもっと美しく見せようとして今迄動かなかった所が動くようになったり、リハビリ効果もあります。“楽しい奇跡”を見てきました。ある人の「僕、電動車いすを降りると人間ではないんだ」という言葉、衝撃的でした。唯一動く指で電動車いすを操作し、振り付けを紙に書くことができないので全て暗記し、いつも笑顔。私の方がパワーを頂いていました。ダンスでは振り付けを覚え、身体を動かす、正に認知症予防にもなります。
東京での世界大会は人間技とは思えませんでした。ウィリー走行、回転はあたり前、片輪走行、表現力、素敵、素晴らしい!とっても刺激を頂きました。又、新たな世界を見た感じです。車いすダンスでは障害の有無に関係なく、誰にでもできる素敵なスポーツです。